https://blog.goo.ne.jp/deeplyjapan/e/9bfefecefb5138561d1351600325a887
より転載します。
21/07/28 15:13
暑さの次は、台風が来て、ビーチバレー、サーフィン等の海沿いで行う競技は大変である由。
屋内は、どこでやってもきちんと空調が効いていればそれでいいわけだけど、そりゃもう、この時期の日本でやろうとしたら、猛暑と台風はつきものとみんな言った通りだよーーーー、って感じ。
さて、アメリカでは、現状は放映を担当して、話題を振りまこうと思ってたNBCにとっての悪夢だな、ってな記事が出てきた。
The Tokyo Olympics are turning into NBC’s worst nightmare
どうしてそうなるかというと、上述の天候の話に加えて、大坂なおみと体操のバイルズという、もりあげるようとしていた2人が勝てなかったから。
大坂さんは勝ち負けのはっきりしたゲームなので負けたわけだけど、体操のバイルズに関しては、なんというか、かんというか、奇妙奇天烈なところ。
負けたというより、1種目を終えたところで自分から棄権したわけで、ファンの人はみんな、跳馬で足を痛めたのかしらと心配していた。しかし、試合後は、メンタル・ヘルスの問題で棄権した、とか言い出している。
そして、バイルズが棄権したから、アメリカチームは金メダルを取れなかったのだ、という印象を広げている。体操女子の金メダルは、四半世紀ぶりにロシア・オリンピック委員会(ROC)なるユニットで参加しているロシアが獲得した。
いや、しかし、バイルズがいても、確実に金を取れたとは言えないでしょう。点差も大きかった。ロシアチームは大きなミスがあって大変だったのにリカバリーする根性、技術、冷静さがあった。
でもメディア的にはこうなわけね。
ロシアが体操女子団体で金、米国はバイルス離脱響き銀 五輪
ロシアは、前日の男子団体の最後の演者ナゴルニーにしても、女子のメルニコワにしても、難しい時に難しい技に挑むガッツがある選手がいた。
日本チームは男子団体で、橋本の鉄棒でこりゃもう金メダルと思われたとろこでナゴルニーの最後の床の演技にやられた、って感じだったわけだけど、でももう、あれはしようがない、相手が立派だったと多くの人が思ったと思う。これは良い態度だと思う。
だがしかし、アメリカのメディアにとってはスポーツは飯のタネでしかないので、バイルズを静かに負けさせられない、って感じではなかろうか。このまま引きずって、バイルズは選手への性的虐待を訴えるために登場していたのだのなんだのという話が続くものと見える。
■ ネリー・キム vs コマネチ
まったく唐突ですが、この流れを見ていて、これはつまり、ネリー・キムは押しやられない、みたいなことなのかなと思った。
いや別に、バイルズが悪いわけじゃないけど、メディアに使われて、なにかこう政治アジェンダのプレーヤーという役割まで持った選手ではあるでしょう。その点でコマネチと見ると、それに対して、傍流に押しやられているのが当時のキムであり、今のロシアの選手という構図に見えなくもないな、といったところ。そして、メルニコワは勝ち残り、キムさんも立派な人生を歩んでる。
コマネチという恐らく体操競技でこれまでで最も騒がれた選手がいた。1976年のモントリオール五輪で優勝して、その後、白い妖精などと言われて大騒ぎが続いたルーマニアの選手。
だがしかし、その頃のライバルだったネリー・キムさんというソ連の選手は、コマネチに勝るとも劣らない選手だったのだが、こちらはあまり騒がれなかったらしい。(日本の受容は他の欧米諸国とは多少違うみたいだ)
モントリオールではキム選手も10点をもらってる。当時の動画を発見した。体操のおねえさん、といった趣で、いいわ、こういうはきはきした演技と私としては高得点。
Nelli Kim FX EF 1976 olympics 10.00
で、要するに、メディアが仕掛けて、そして政治が食いついて、コマネチというアイコンができあがったみたいな感じだったんじゃないでしょうか。あのやたらに手足の長い身体が、なにか得も言われぬ怪しさをかもしていて、おじちゃんたちの下世話な妄想を誘ったのかもしれないとさえ思う。また、その後、ルーマニアのコーチが米国に亡命したりしてるし、コマネチもアメリカでなんだかいろんなことがあった。結局、このあたりは総じていえば、ソ連圏崩しの一環だったんじゃないの?と今ならそう思う。
よくいえば妖精だけど、あんまり健康的という感じでもない、あきらかに大人でないコマネチとか、ソ連の、かなりこまっしゃくれたオルガ・コルブトがもてはやされたことは、後で二次利用されているんじゃなかろうか。このイメージが、後に、共産圏では選手を作るために幼児から無理やり教育してる、薬使ってる云々という極悪なイメージ作りに一役買ってると言えるんじゃなかろうか。(ルーマニアはソ連ではないし、仲がいいわけでもない国なのに共産圏として括られるのも微妙なわけだが)
だがしかし、ネリー・キム選手を見ると、そういう不健康さは、一部にそういう人たちがいたとしても、到底ソ連の全体じゃないだろう、ってのが簡単にわかる。
キム選手は、健康的だし、跳躍はすばらしいし(初めて成功させた技が7つも登録されてる)、モントリオール五輪の後はベラルーシの人と結婚して、一度は競技生活を止めようかと思ったけどまた戻ってきて再度金メダル、みたいなリアル人生をしっかり歩んでた人。その後は学校行って、審判員になって、この競技のために尽力してきた方のように見える。
■ メルニコワのスタイルが好き by キム
ネリー・キムで検索したら、3年ぐらい前の動画を発見。そこでキムさんは、メルニコワを、ロシアらしい選手、私は彼女のスタイルが好きと言ってた。おおおおおお。
この短い動画を見ると、メルニコワのスタイルが好き、このスタイルが私が育ってきたスタイルで、運動選手として習ったスタイル、とか言ってる。
さらに、このままメルニコワは自分のプラン通りに失敗なくやれば、メダルを取れる選手になるだろう、とも言ってる。慧眼ですね。
やっぱり、ちゃんとした技があってちゃんと得点を伸ばせる、きっぱり演技できるガッツのある選手こそ運動選手って感じをお持ちなのだろうと拝察する。
いずれにしても、ロシアの四半世紀ぶりの体操男女の優勝といい、米メディアのストーリー展開がうまくいってないところといい、折からのアフガン撤退といい、なにかこう、画期が訪れている気がしないでもない今日この頃だなと思う。
■ オマケ
IOCが話をあわせてきた。
心の健康「喫緊の課題」 体操のバイルズ苦悩告白でIOC
東京五輪に出場している体操女子でスター選手のシモーン・バイルス(米国)が「心の健康」を理由に27日の団体総合決勝を「途中棄権」したことを受け、国際オリンピック委員会(IOC)のアダムス広報部長は28日の記者会見で「メンタルヘルスはここ数年大きな問題で、新型コロナウイルス禍で喫緊の課題となっている。IOCはこれまで以上に取り組むことができる」と述べた。
本当に腐ってるのはIOCであり、メディア(とりわけ米メディア)だと思われるわけだが、彼らがこうやってまた話を作ってくる。
他方で、WADA(世界アンチ・ドーピング機関 )という異常に政治的な西側がコントロールする組織のおかげで、始終異常者扱いされて、尿検査されてるロシアの女子なんか、ほとんど性犯罪の被害者みたいなものじゃないか。IOCはメンタルヘルスを漠然と話題にする前にやることがある。組織が変態になってる可能性を捜査したらいい。
ちなみに、フェンシングで優勝したロシアの選手は、正式にフェンシング協会に対して、耐え難い措置を取られていると訴えたという記事を読んだ。
■ オマケ2
ロシアは、体操男女団体で金メダルを取り、新体操、シンクロも控えめにいってもメダル圏は濃厚なので、場合によっては、アーティスティック系の採点競技を総なめにする可能性がある。
ここで、WADAを使ってロシアをオリンピックから追い出そうとして、それが達成できたとしたらどうなるのか。それはつまり、オリンピックの一部競技は本当の競争の場ではないことが誰の目にも明らかになるということ。
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