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より転載します。
「民主主義」を守らず、帝国を強化する「民主主義サミット」
2021年12月1日
Brian Berletic
New Eastern Outlook
初めての「民主主義サミット」は2021年12月早々に開催される。アメリカが組織する「政府、市民団体と民間部門の指導者」全員が、暗に自身が、どの国が「民主的か」判断する審判だと宣言したアメリカによって一方的に選ばれ、プロセス上、招かれないものは「非民主的」とみなされる。
招かれなかった国々で、アメリカが支援している反政府運動は、このサミットは、一部の人々の承認で、他の人々への「侮辱」だと、すかさず表現した。
タイPBSの「世界民主主義サミットからタイが排除されたのはプラユット政権に対する「警告」」という題の記事は、それを示唆している。記事はこう主張している。
アメリカを含め招待された111カ国のうち、フリーダム・ハウスの2021年報告によれば、77が「自由」か、完全に民主主義にランクされている。他の31の招待国は「部分的に自由」ランクされ、3つの国が「自由ではない」カテゴリーに分類されている。
アメリカ議会に資金供給される全米民主主義基金(NED)の下部組織フリーダム・ハウスは、どの国が「自由で」、どの国がそうでないかに関する客観的情報源からはほど遠い。それは更に「民主政治のためのサミット」の一方的な本質のみならず、欧米「民主主義」そのものの一方的な本質を実証する。
「民主主義」を論じるのではなく、帝国の見せびらかしと強化
サミットに関するアメリカ国務省公式声明には、こうある。
指導者たちは、サミットの目標を推進する国際的構想と意味ある内部改革に対する具体的行動を発表するよう奨励される。
これら誓約は、独裁主義に対抗し、収賄と戦い、人権の尊重を奨励する、国内的、国際的な構想を含む。
ポリティコは「「オプション説明図」:バイデンの偉大な民主主義サミットはあいまいな考え方の寄せ集め」という題の記事で、こう主張している。
バイデン・チームがサミット中に、たちあげようと論議した曖昧な構想の一つに、ポリティコが入手した「インターネットの将来ための同盟」と呼ばれる文書によれば、インターネットの自由を奨励する国際提携がある。メディア・リテラシー・プログラムのための資金強化や、一部の軍民両用技術の輸出規制制定など、他の国々がするのが可能な約束リストをアメリカ当局は提案している。
「インターネットの自由」と「メディア・リテラシー」というのは、インターネットに対する欧米の影響力と支配を強化し、欧米が標的に定められ国々から、自立した代替意見や国営メディアを締め出すことの婉曲表現だ。
論理は別として、サミットは、おそらく、まさに、近年低下した世界中での欧米の優位性を維持したり、再主張したりするのを隠蔽するために、「民主主義」や「人権」や「反収賄」のような言葉を使って、これに焦点を合わせるだろう。
「民主主義サミット」は、その額面自体「独裁主義に対抗し、収賄と戦い、人権尊重を奨励するために」アメリカが世界中の「民主的な」諸国を何らかの形で率いるという疑わしい前提にたっている。
そもそも、一体誰が、これらの問題で世界を「率いる」べくアメリカを選んだかについて、それはどこにも説明されていない。アメリカ自身、述べられているサミット目的のいずれに対しても、しっかり対応も貢献もしていない現実がある。このサミットの発表は、ジョー・バイデン大統領が7人の子供を含め家族10人を全滅させた別れ際の無人飛行機攻撃を命令して、アメリカがアフガニスタン撤退した、ほんの数カ月後だ。
「カブールでの致命的なアメリカ無人機攻撃は法律違反ではないと国防総省は言う」というBBC記事は、アメリカは、自国から何千マイルも彼方の家族全員を殺害しただけではなく、そうすることでアメリカは法律を破っていないとアメリカ調査者が判断したと指摘している。米空軍検査官サミ・サイード中将が「うっかりミスだった。」と言ったとBBCは報じた。
アフガニスタンで行われた、あの残虐行為は、孤立した事件ではなく、アメリカが世界舞台で示している長年の多数の虐待行動とお咎めなしの最新例だ。
アメリカの共謀者と、捕らえられた国と、強要された国のサミット
民主主義サミットは、実際はアメリカ独裁主義の証明で、共謀者と、捕らえられた国と、強要された国々の展示で、近年、多極主義が、アメリカから奪い去った、世界中での不当な影響力を奪還する構想を発表する手段なのだ。「民主主義サミット」でこのような構想を発表することで、帝国拡張ではなく、民主主義の取り組みとして描写できるのだ。
20年の占領後、アフガニスタンから撤退したが、国は荒廃状態のままだ。アメリカは、イラク同様、シリアでも軍事占領を維持している。イラク政府はアメリカ兵追放を何度も試みて、失敗している。
皮肉にも、傷ついて、ひどい打撃を受けたイラクという国が「民主主義サミット」参加者リストにある。それは「捕らえられた国」に分類できる。
ヨーロッパ諸国は「共謀者」から「強要された国」に及ぶが、台湾政府は、国として認められてはいないが、ワシントンが国際法を侮辱しているだけでなく、他国と二国間で結んだ協定に違反する意欲をも例証する助けになっている。
国際法と、自身の二国間条約両方を踏みにじる国は法による法の支配の外に存在する国だ。本物の民主政治の必要条件は、法の支配だから、このサミットが本当に何に関するものであるにせよ、確実に「民主政治」に関するものではない。
アメリカが中国の反感を買い続け、増大する孤立感に対処するために「連合」と「サミット」を探して、制裁や軍事的脅威や経済戦争の過剰利用でアメリカが自身に課した「民主主義サミット」と、それから出る結果は何であれ、欧米の「民主主義」に関するものでは何より、アメリカ帝国の力と方向を示すバロメーターだ。
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