2011年4月17日日曜日

中部大学の武田邦彦先生のブログ

中部大学の武田邦彦先生のブログ
http://takedanet.com/

昨日の引用と合わせて、ブリーフィングしてみた。
詳しくは、直接上記のブログを見ること。
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原発事故と学問の自由
http://takedanet.com/2011/04/post_eeab.html


憲法が定める「学問の自由」が公的に犯され、「憲法違反した学者(日本気象学会長)が逮捕されない」という事実が発生した

3月末、日本気象学会の学会長が、学会員に対して「研究結果を自由に発表してはいけない」と呼びかけた.
福島原発からの放射性物質がどの方向に飛ぶかを学問的に研究し、その成果を発表すると「人心を惑わす」ので、気象学会は「政府が一元的に発表するデータ以外の発表は好ましくない」とした。

一方、政府は巨費をかけて作った「重大事故時の放射性物質の飛散予測システム」である、SPEEDIを持っているが、結果は一度、発表しただけで、まったく公表されない。

気象庁は、政府に命令されて渋々、IAEAに報告していた福島原発からの気流の動きについて、そのホームページに掲載したが、そこに注釈がついている。
こともあろうに、気象庁は次のように言う.
1) このデータはIAEAに出すものであって、日本国民に知らせるものではない、
2) このデータは「予測にもとづいて計算したものであり、実際の観測地が入っていないから(予報だから)、本来は発表するべきものではない、
3) 放射性物質の拡散はSPEEDI の役割であり、そっちに聞いてくれ。
「気流の動き」という意味では気象庁は、花粉予想とか噴煙予想をする。また「未来の予想」では、天気予報、台風進路予報、それに100年後の温暖化予報もする。
それなのに、予報だからという理由で「放射性物質飛散予報」をしない。

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なぜ「東通原発」は非常電源が入ったか?
http://takedanet.com/2011/04/post_255b.html

「原発は地震で壊れる」
4月7日深夜、東北地方は再び最大震度6を記録する余震に見舞われた。
この余震で青森の東通原発と六ヶ所村の再処理施設の電源が切れ、ディーゼル発電の非常用電源を使った。震度は5と推定される。
ディーゼル発電機が動くということは「耐震設計を越えた地震に見舞われた」ということだ。
また、停止中の女川原発も震度6で通常電源がとまり、予備電源に切り替わった。ここも「耐震設計を越えた地震」ということになる。

原理は簡単だ.
1) 耐震設計自体が低い(柏崎、福島は震度5、今回の地震の結果から見ると、女川は震度5、東通は震度4で設計したと考えられる)
2) 原子炉だけを守るようになっていて「原子力発電所」や「付近住民」を守ろうとはしていない。

・・・・・・実績・・・・・・
柏崎刈葉  震度6で「放射線漏れ」と「変電所火災」
福島    震度6で電源喪失、水素爆発
女川    震度5で通常電源喪失
東通    震度5で通常、予備電源ともに喪失
・・・・・・それでも全国の原発は大丈夫??・・・・・・
100%の確率で損傷、倒壊している。だから、電力会社が自主的に他の原発を止めて欲しい.

福島原発にもトリックがある。
福島原発が「地震で倒れない」と言った政府、福島県の発言がウソではないことを印象つけるために「津波の損傷」と言ってきた。
しかし、作業員は「地震直後に上からザーッと水が降ってきた」という証言や、1号炉の圧力容器の亀裂などを見ると、震度6の最初のアタックでかなり損傷していたと考えられる.
また、たとえ津波であっても、日本には38メートルの津波を経験しているのだから、10数メートルの津波が「想定外」というなら「地震や津波で壊れる怖れがある」ということだろう。
・・・・・・・・・

問題なのは「原子炉だけを守る」という思想だから、柏崎で変電所(場内)が燃えても「関係ありません」と言い、今度も「停電だから仕方ありません」と言うだろう.
でも、ディーゼル発電機が故障したら、東通原発は、冷却系を失い、福島原発と同じようになるのだ。

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原発 小さな疑問  屋内10分の1
http://takedanet.com/2011/04/post_26ce.html

確かに、密閉した家屋にいると(国のデータでは)屋外の10分の1から4分の1の範囲になることが知られています。
しかし、現実に普通の生活をしているときの屋外と屋内の放射線量を測定してみますとほとんど変わりません。特に今回、中部大学の卒業生が2度にわたって、いわき市の屋外と屋内の放射線量を測定してくれましたけれど2度とも(屋外=屋内)でした。
おそらくその原因は、窓を開けるとか、玄関から出入りをするなどがあるので、普通の家庭ではかなり「換気」が行き届いてしまうからと思います.なにしろ放射性物質は目に見えないほどの小さな粒ですから。

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原子力基本法
第1条(目的)
「この法律は、原子力の研究、開発及び利用を推進することによつて、将来におけるエネルギー資源を確保し、学術の進歩と産業の振興とを図り、もつて人類社会の福祉と国民生活の水準向上とに寄与することを目的とする」

「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律施行令」、「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律施行規則」、「放射線を放出する同位元素の数量等を定める件」

規則第19条があり、線量限度として「1年間に1ミリシーベルト」とあります。これが「公衆が安全な線量」とされています.

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「労働安全衛生法」「労働安全衛生法施行令」「電力放射線障害防止規則」
(平成23年4月5日 午前9時 執筆)
http://takedanet.com/2011/04/post_f1fe.html

「管理区域」
1時間あたりの放射線量で言えば、0.6マイクロシーベルトになります。
法律で管理区域が0.6マイクロシーベルと以上となっているときに、その30倍もの放射線量が、普通のところ=福島市全体、におよんだのです。
私は、福島市長が直ちに福島市を管理区域にして市民を守ると思っていましたが、事態はは全く逆になり、またびっくりしました。

また、表面汚染ですが、ここで言っている別表第3には、「アルファ線を出すもの:1平方センチメートルあたり4ベクレル.アルファ線を出さないもの40ベクレル」とされています。
3月31日、IAEAが飯舘村の土壌表面で1平方メートルあたり200万ベクレルを観測しましたが、1平方メートルは1万平方センチメートルですから、別表第3の単位では200ベクレルになり、これも管理区域の指定が必要です.

管理区域の設定が終わると、
1) 仕事の男性   年間20ミリ(1時間2.3マイクロ)
2) 仕事の女性   3ヶ月5ミリ(1時間2.3マイクロ)
3) 妊婦(内部)  妊娠中1ミリ(1時間0.2マイクロ)
です。労働者を対象としているので、一般公衆を明記していないが、一般公衆には妊婦もいるので、おおよそ1年1ミリシーベルトに合わせてあります.
・・・・・・・・・
福島原発の最初のころ、1ミリシーベルトを「単なる目標値」と発言した専門家は深く反省してください。

本来、国民を守るためにあるお役人や専門家は、もしかすると「放射線の害を少なく見せたい」という欲求から、網の目をくぐるような言い方をしてくる可能性があります

また、国民を守る最後の砦である、原子力安全委員会も、地方自治体も、20ミリになって「仕事は楽になる。国民は被曝が増える」という二つのことのうち、「仕事が楽になるなら歓迎だ」という態度にでると予想されますので、注意を要します.
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原発   福島は足し算、大阪はそのまま
http://takedanet.com/2011/04/post_d6e6.html
(平成23年4月5日 午前9時 執筆)

簡単に言うと、
1) 原則として、汚染は「足し算」
2) 福島など汚染地域は「足し算」
3) 大阪のように汚染していない地域は足し算をしなくて良い、
ということです。

「原則として足し算」とは、
1) 福島原発からでる「危険な放射性物質」はヨウ素だけではない.ということです。最低でも、ヨウ素(半減期8日)、セシウム(同30年)、ストロンチウム(同30年)はありますし、そのほか、皆さんが心配しているプルトニウム(長い半減期)があります。それを足さなければなりません.
2) 自分の体に入るルートは、1.空気から、2.吸い込んだり着いたり、3.水、4.野菜、魚など の4つのルートがあります。

福島の人:全部だから4倍にする、
大阪の人:今のところ2から4がないので、そのまま

テレビでは簡単に言うと「ウソ」を言っています.だから混乱します.たとえば、昨日、東電が海に汚染水を放出したときに、「たいした事はない.魚を食べ続けてもヨウ素は0.6ミリシーベルトにしかならないので、一般人の限度1ミリシーベルトより小さい」と言いました。

真っ赤なウソです。そんな言葉を使いたくないのですが、私はビックリ、がっかりしました。
次の足し算がないのです。(福島県の人)
空間からのヨウ素の被曝    ?ミリシーベルト
空間からのセシウム被曝    ?
空間からのストロンチウム   ?
体の中のヨウ素の被曝     ?
体の中のセシウム被曝     ?
体の中のストロンチウム    ?
水からのヨウ素        ?
水からのセシウム       ?
水からのストロンチウム    ?
野菜魚からのヨウ素     0.6ミリシーベルト
野菜魚からのセシウム     ?
野菜魚からのストロンチウム  ?
(合計)      {0.6+(?×11)}ミリシーベルト
ということです。

つまり、東電の専門家はもちろん、この最低でも(プルトニウムなどを考えなくても)12ヶを足さなくてはいけないのに、意図的に0.6だけを言っているのです
「この期に及んで何をやっているのか!」
としかり飛ばしたい気持ちです

でも、このブログでは、上の全部を計算するのは普通の場合はできないので、福島、茨城にお住みの場合は、空間の放射線量に4をかける。東京、千葉、宮城、会津若松などの場合は、2をかける。それ以外のところは、当面、そのままという計算式を出しています
.
それなら計算ができると思いますが、テレビには注意。
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原発 小さな疑問 その1 自然放射線
http://takedanet.com/2011/04/post_fdf2.html

「自然放射線」

自然放射線についての多くの人の疑問は、
1) 自然放射線は1年間に2.4ミリシーベルトと官房長官が言ったのに、なぜ1年間に1ミリシーベルトが問題になるのか、
2) 東京等の測定値を見ると比較的低いのに、自然放射線だけで1時間あたりで0.3ミリシーベルトもあるので、福島原発からあまり放射線が来ていないのではないか?
という疑問である。
・・・・・・・・・
政府(官房長官)は4つ、普通の人なら錯覚するような表現をした。だから真面目な人は計算が合わないし、わかりにくい。
1) 2.4ミリシーベルトというのは、世界の平均で、日本は1.4ミリシーベルトである。 日本の他の放射線量と比較する時には、1.4ミリシーベルトを使わなければならない、
2) おまけに、1.4ミリシーベルトの3分の2は「内部被曝」である、
3) それなのに、普通に発表されている数値は「外部被曝」(推定)である。
4) 関東は関東ローム層があって外部放射線が低く、関西は花崗岩が多いので、若干高めである。

このブログでは「発表値×4」で自分が被曝する量を計算しておくのが良いのではないかと考えている(私の4には、水の放射線が少なくなれば、その代わりに魚が入ってきたりするので、当面は4が良いと判断している).
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なお、完璧にマスクをして、水もペットボトル、食材も完璧に注意したという人は(×4)が要りません。またマスクはしなかったけれど、水と食事は注意したという人は(×2)です。
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また、幼稚園や学校の先生は児童生徒の被曝量を計算して、登校させて良いかを決めてください。なお、屋外で運動をさせるとさらに(×2)をしてください。
学校の先生で、「100人の児童生徒さんで1人ぐらいガンがでても良い(京都大学、長崎大学の教授の基準)」とご判断される先生は、政府の方針に従って1年100ミリシーベルトを限界としてください。
学校の先生で、「少し厳しいけれど、なにしろ放射線だから法律に従って1年1ミリシーベルトにしてあげたい」と思う方は、1ミリシーベルトを越える可能性があれば登校は自粛してください。
どちらをご選択したかを保護者の方に通知した方が良いでしょう.そうすると保護者は子供を学校に行かせるかどうかが決まります. 児童生徒の健康と運命は先生だけで決めることはできません.
また、給食にだす食材は「地産地消」などと「危機がないときの方針」を捨てて、児童生徒の被曝をできるだけ避けるように産地を選んでください。たとえば野菜が「規制値に達していない」と言っても、このような時には児童生徒はいろいろなものから被曝しますので、できるだけ避けてあげたいものです。

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政府は、原発の近傍の海で規制値の3355倍でも「健康に影響がない」と言っています. その海で児童生徒を海水浴はさせないと思います
.
ご自分でご判断しないでください。あくまでも「基準以上は危険。基準以上で児童生徒の登校をさせない」と決意してください。

「危険を承知で知らない顔をする」ことこそ「風評」であり、事実を直視することは「風評」ではありません。事実を見るには勇気が要りますが、将来の子供のために先生方が勇気をもって事実を見て、具体的な行動をとっていただく事を切望します

(平成23年4月2日 午後9時 執筆)武田邦彦
http://takedanet.com/2011/04/post_2f0b.html
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生活と原子力02   1ミリ、100ミリ、「直ちに」の差は?
http://takedanet.com/2011/04/1100_863e.html

最近ではメディアも含めてオール与党のようになったので、今回の件でも政府の発表等を鋭く追及する力が弱かったようにも思います。
特にわたくしは、発電所周辺の海で基準値の3355倍の放射性ヨウ素が見つかった時に、保安院は「直ちに健康に影響はない」と記者会見で言っていました。政府は明らかに不適切なことでも言うこともあります。
それに対して、もし、わたくしがそこにたら、
1) それならば何万倍になれば危険になるのですか?
2) 健康に影響がないということは原発の近くの海で子供を海水浴させてもいいのですか?
という質問をしたと思います。これを考えても政府発表に対しての記者の方の追及の力が弱いように思います。わたくしはそれこそがメディアや学者の役割と考えています。

http://takedanet.com/2011/03/42_20e0.html
どこで何があったか知りませんが、メディアも「健康に影響がありません」という人だけを出すのではなく、「規制値の3000倍ですから危険です」という人も登場させて欲しかったと思います. メディアは何のためにあるのでしょうか?

・・・・・・・・・類似の話・・・・・・
福島原発が事故を起こした後、テレビでは東大教授が「このぐらいの放射線なら安全だ」と繰り返していました。
当時の福島市と東京では放射線の強さは、約200倍でした。
ところが、事故直後、東大の中では文書が回り、「換気を止めること、ドラフト(化学実験などで使う空気が漏れない装置で、これを使うと外気が研究室に入る)」を停止するよう命令があったことを昨日、確認しました。
テレビでは「レントゲンが600マイクロシーベルトだから、福島市の20マイクロシーベルト(毎時)は30分の1だから心配ない」と発言した、当の東大教授が、その200分の1のところで生活をしている自分の大学では「換気扇を止めろ」と指示したのです.

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原発 緊急情報(44) 4月1日から3日の汚染(海を中心に)
http://takedanet.com/2011/04/post_643a.html
4月1日12時から6時間毎、福島原発からの汚染物質の流れをドイツの情報から掲載

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IAEAから聞きたくなかった
http://takedanet.com/2011/03/post_19ec-1.html

IAEA(国際原子力機関、本部はスイスのジュネーブ)が土壌汚染について測定したところ、福島県で「IAEAが勧告している避難しなければならない地点」が見つかったことを日本政府に通告したというニュースが流れた。

聞きたくないニュースだった。

日本には政府がある。IAEAが土壌汚染を測る前に日本政府か自治体、もしくは原子力機構や、東電が測って、日本国民に知らせ、あるいは待避させて欲しかった.
日本人の命と健康を守るのは、第一に日本人だ。

・・・・・・・・・
3月31日、テレビ局が独自に入手したとされる3月24日から3月28日に撮影されたという福島原発の内部映像が公開された。地震で破壊されたと見られる配管がプッツリ切れていた。

31日は多すぎるけれど、それでもテレビ局が公開してくれたのは良かったが、福島原発の状態を知りたいというのは国民の願いだ。それなのに、東電や保安院など映像を撮影したり、見たりすることができる人たちは、この映像を隠していたのだろう.

これほどの非常時になっても、まだ福島原発は「東電のもの」であり、内部映像は「秘密」であるという感覚は奇妙だ。

一刻も早く、国は東電と1年契約で、福島原発とそこの従業員、技術者の国への移管を契約し、企業秘密とは関係なく、情報を公開するのが適当である.

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また2度と「想定外」とか「地震に津波があるとはしらなかった」 等と言って欲しくない。今の日本は、「電力会社やお役所の失敗を、庶民の被曝という形で贖う」という奇妙な国なのだ。
名古屋は検討を開始する.浜岡、敦賀の発電所が破壊しても名古屋市民を守るため、水道の取水口、市民の避難、全てを準備する計画をスタートする。できれば緊急時の計画ができるまで原発は止めて欲しいものだ

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「プルトニウムはヨウ素の200倍。ヨウ素は200ベクレル
ちなみに、ヨウ素、セシウムなどは、
「ベクレルを100分の1にして2をかける」
とマイクロシーベルトになる。ヨウ素では、300ベクレルというのをシーベルトに直す場合には、100でわるから3になり、それを2倍するから6マイクロシーベルトになる。

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汚染・6日に日本全土に拡がる怖れ
http://takedanet.com/2011/04/47_afa2.html
(平成23年4月4日 午前8時 執筆)

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