2017年3月16日木曜日

たまには講談でもどうですか

何年か前に「原典平家物語」のビデオを見て、感動し、また物足りなさもあって、その他のDVDやCDなどを買い集め、すっかりはまってしまっていた。

役者必ずしも上手とは言えず、相性の問題もあり、時間とお金の浪費が続いていた。

原典平家物語の世界は、ピンからキリまで玉石混淆で、古典芸能必ずしも適切な表現力があるわけでもなく、現代の役者さんも薄っぺらなのが多いことに気付かされた。

そう言えばテレビドラマも最近はつまらないし、低級なエンタテイメントに走るばかりでちっとも面白くない。単なるドタバタや、どこかの家族を偉人のように仕立て上げるものばかり。精神性などさらさらない。

こんなわけで、昔に感動した映画や講談、三波春夫などを遍歴し、三波春夫全集、講談全集を買い求めたり、そのほかいろいろ漁ったりする日々が続いた。

そんな中に、映画の忠臣蔵があった。
買い求めて見たのは、大仏次郎の原作になる市川歌右衛門主演のものだった。

いかにも作り物の世界だが、その中には「真心」が描かれていて気持ちがよい。
当時は作家の先生も立派な方が多かったなあ。

この作者といい、吉川英二といい、海音寺潮五郎といい、なかなかのものがあった。

今は、漫才師作家やミーハー演出家作品などが幅を利かす時代で、僕たちのようなレトロな人間にはお呼びではない。

相変わらず夏目漱石あたりを文豪と称しているようでは、お里が知れるというもの。

むしろ、今は忘れられかけている講談師達のほうがいいものを演じているかもしれない。
ためしにアマゾンプライムミュージックで講談協会の面々の話芸を聞いてみるのもよい。
講談なのでこじんまりと纏まってはいるが、現代芸能の中では秀でていると思う。




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