やっと再発見である。
高校時代に出会って、常にあこがれ、希望の糧としてきた詩。
だが最近の違う方の訳は僕にはあまりにもしっくりこなかった。
若い時の感動が、手塚富雄ではじめてよみがえる。
50年ぶりの再会と言っていい。
アマゾンの書評に全文があったので、失礼ながら以下に転記させてもらった。
「神性」 ゲーテ
人間は気高くあれ、
情け深く善良なれ。
それのみぞ、
われらの識るあらゆる存在より
人間を区別する。
未知なれど
われらのほのかに感ずる
かのより高き存在に贄(にえ)をささげよ。
人間はそのより高き存在に似てあれよ。
現実のわれらの挙手が
その実在を信ぜしめよ。
見よ 自然は 非情だ
太陽は 善人をも悪人をも ひとしく照らす。
罪人にも 無辜のものにも月と星々とはかがやく。
風と奔流 雷電と嵐とは
ひたぶるに猛って 疾過し
われをも人をも
差別なく拉し去る。
運命もまた 選択を知らぬ。
童子の無垢の捲髪をも
罪を重ねた老爺の頭露も
ひとしなみに犠牲とする。
永遠の 厳しい大いなる 法則にしたがって
われらすべては
われらの存在の圏をめぐるのだ。
ただ人間のみが
不可能事を行う、
人間は区別する、
選択する、裁断する、
人間は刹那に持続を賦与しうる。
人間のみが、
善人に報い、悪人を罪し、
癒し、救い、
目当てなく交錯するすべてのものを、
有用に結合することができるのだ。
そしてわれわれはあがめる、
不滅なる存在を。
あたかも、そもまた人間であるように、
そして最善の人間が、
小さき圏においてなすこと なしうることを
そがおおいなる圏において
なしつつあるように。
気高き人間は
情深く善良なれ。
倦まず創れ、
益あるもの、よきものを。
そしてわれらのほのかに感ずる
かのより高き存在の原型たれ。
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