2016年1月11日月曜日

誉めること貶すこと

今日の天声人語。
イタリア物のエッセイストがどうしてイタリア語が上手になったのか。
フランスでけなされ、イタリアでは褒められた。だから早く覚えた。
言葉は誉められると覚える、とか。
人の導き方の例えである。
こういう論者のことを馬鹿の一つ覚えという。

このエッセイストは戦後ヨーロッパにわたって勉強したらしい。
国民的にはフランでは戦勝国と敗戦国の関係。イタリアは同じ同盟国で敗戦国仲間。
当然、フランスでは憎まれ、イタリアでは親しまれる。
他の人的要素もあったかもしれない。
誉めたとか、貶されたとか以前に、好悪の感情がお互いにある。

好きこそものの上手なれというではないか。
ここでいう「好き」とはお互いに「好き」ということである。
憎い相手を褒めることは難しい。

好き合うこと、愛しみあうこと、この相互関係を忘れた天声人語、今日の出来は良くなかったようだ。





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