近頃、山形明郷の本を2冊読んだ。
非常に衝撃的というか、さもありなんというか、数年前から日本の古代史、特に今から1500年ほど前の日本について、日本書紀や古事記をはじめ様々な書物を猟してきたのだが、山形に遇って、すべてがすとんと胸落ちした次第である。
要は、「倭国」にしろ「邪馬台国」にしろ、中国古代の資料の記述と、現代日本での理解に大きな溝がある。その原因は幕末~特に明治政府による我田引水的ねつ造であるということ。
僕は、聖徳太子の時代を日本書紀で読み解くにつれて、天皇家というものが血で血を洗う親子兄弟の血族の争いの中に成り立っていること、
何代かに一度は大きな血脈上の断絶があり、万世一系どころか他者の入れ替わりが激しかったこと、
なかでも、藤原氏をはじめとする「取り巻きたち」こそ実は「裏天皇」であったことなどを見続けてきた。
「天皇」と書かれた人が実は天皇ではなく、「奸賊」として描かれた人が実は天皇だったり、まさしく「歴史は勝者が書きかえる」という言葉通りのことが何度となく何十回となく繰り返されてきたのがこの国の歴史であった。
そして、現代でも、明治維新の勝者が幕府徳川家の身代わりとして屠った福島と東北。
明治百年を過ぎても、福島県の元知事木村守衛は「いまだに長州とは戦争状態が続いている」と言ったが、今の安倍総理などは「維新の志し忘れマジ」とばかり、毎月「長州会」に参加するために地元に戻り、江戸と会津を滅ぼした幻影に浸り、戊辰戦争を継続しているような態度をとっている。
福島県民にとっては大迷惑この上もない。
昭和の陛下は明治天皇の孫、大正天皇の子ということであるが、明治天皇は何十人もの大奥を要していたにもかかわらず、その子供たちはことごとく「病死」。
不思議にも最も気力体力能力の劣る大正天皇が後を取っている。
昭和天皇は大正天皇の子ということだが、大正、昭和にかけてさえ何があったのか知れたものではない。
しかしそこに何があろうと、勝者は「万世一系」を叫び、宮室がそれを認定する。
システムができているのである。
常にシステムが勝利し、新しい「歴史」が書き換えられてゆく。
はたしてこのの「システム」は完全無欠なのだろうか。
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